みなさん、どうも僕です。
映画の中でも僕はヒューマンドラマにどうしても関心がいくのですが、これまで見てきた映画の中でも珠玉の出来で感動に打ち震えてしまった映画に出会ったんです。
その映画は『スペシャルズ! ~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~』。
まだ見られてない方に見て頂きたくて、少しだけネタバレ有りで感動の名作をお伝えしましょう。
Contents
(あらすじ・ストーリー)舞台は「無認可」の自閉症ケア施設
この映画の舞台となっているのはフランス・パリにある「無認可」の自閉症ケア施設。
自閉症とは自分の思いをうまく言葉に出来づらく、対人コミュニケーションに障害を抱える病気です。
この映画に出てくる自閉症の子供たちは、中でも重度の症状を持った子供たち。
そして、その子供たちを持つ家庭も経済的に余裕がなく、様々なバックグラウンドを持つところばかり。
数多くの施設をあたって受け入れを拒否されたような子供たちを「無条件」で受け入れるのがブリュノが運営する無認可施設「正義の声」でした。
そして、その「正義の声」で子供たちのケアにあたるのが社会でドロップアウトした若者たちを受け入れるブリュノの良き相棒・マリクが運営する団体「寄港」から派遣された若者たち。
自閉症ケア施設「正義の声」を運営するブリュノと、若者の更生を担う団体「寄港」を運営するマリクはタッグを組み、二人三脚で自閉症の子供たち、そして社会からドロップアウトした若者たちを優しい眼差しでバックアップする日々を送っていました。
そもそもこういった無認可施設が存在する理由とは、公的施設にとって「厄介で手に負えない」重度の自閉症患者を受け入れるキャパシティが無く、仮に運良く受け入れられたとしても、子供たちには大量の薬を投与され、部屋に閉じ込められるような非人道的なケアが施されていたからでした。
でも、ブリュノたちは違いました。
子供たちが社会的生活ができるよう、頭を下げまくって就職先の会社を見つけようとしたり、アイススケートでみんなと遊んだり、馬と触れ合って生き物の温かさに触れ合う機会を作ったり。。
どれもこれも子供のことを最優先に考えた「温かい」「人間的な」ケアで、一人ひとりに真剣に向き合う、これがブリュノの信条であり、信念でした。
こういった対応がパリ一円に幅広く知れ渡り、受け入れ先が見つからない子供たちを預かってくれないかという連絡が、裁判所や病院からひっきりなしにブリュノの携帯電話に入ってくる事実。
「無認可」でありながら、子供たちに本当に必要なケアを行っている「正義の声」に頼らざるを得ない社会の歪みがこの映画の背景にあるのです。
(急展開)「無認可」施設を潰しにかかる政府
自閉症の子供たちを預かる「正義の声」は職員の給料さえまともに払えないほどの赤字経営に陥っていました。
施設を運営するブリュノの口ぐせは「なんとかする」。
その一言にブリュノの人柄が集約されているといっても過言ではありません。
どんな子供であっても「無条件」で受け入れる。
政府や公的施設が決してマネの出来ない大変なことを一手に引き受けていたのがブリュノなのです。
そんなある日、政府の監査の「メス」が入れられることとなり、無認可であること、そして赤字経営であることを厳しく追及され、最後には施設の閉鎖を要求されます。
閉鎖を要求されたブリュノは政府の役人にこう詰め寄ります。
「今、うちで抱えている子供たちを引き取れるのか!!」
なにも言い返せない役人。
そして、ブリュノはこうも言います。
「どんな子だってみんな特別なんだ!」
見る者すべての胸に熱く迫りくる言葉の熱情。
その言葉を臆することなく言えるのは、現場で真剣に子供たちと向き合ってきたブリュノだからこそ。
無条件で子供たちを受け入れ、心を開き体と体でぶつかってきたブリュノの言い分に対し、政府は思いもよらぬ「回答」を下すのでした。。
無条件で人を受け入れる「度量の深さ」と「温かさ」に見るヒューマニズムの結晶こそが見もの!
政府とはやたらとルールを強調し、狭小なものの見方に固執するものです。
それはどこの国だって同じこと。
でもブリュノやマリクは、重度の自閉症の子供たちや社会からドロップアウトした若者たちを「違った見方」は一切しないのです。
どの子も大切、そしてどの子も特別な存在。。
どんなに子供たちが奇想天外なトラブルを起こしても、社会ルールから逸脱したというレッテルを張られたとしても、
どこまでも彼らを見捨てない。ずっとそばにいる。
そのことがどれだけ救いになって、心の支えとなったでしょうか。
そして、この映画の大きなポイントは単なる「お涙ちょうだい」的な辛気くさい映画になってないこと。
子供たちを優しくバックアップする日々の中で、「出会い系」を使って足しげく女性と「密会」するブリュノの姿や、綺麗な女性に鼻の下をのばしてしまうマリクの姿に吹き出してしまうシーンも随所に盛り込まれていて、フランス映画らしくウィットに富んだ場面も散りばめられていて見ていて飽きません。
逆にそういったシーンが彼らの人間性をひときわ浮き彫りにして、身近に感じさせることで、より感情移入がしやすい下地を作っているとも言えます。
自閉症の子供たちが繰り出すさまざまなトラブルにハラハラドキドキさせられながら、心の中でブリュノとマリクを「頑張れ!」って心の中で自然と応援してしまう、そういった魔力がこの映画にはあるんです。
「スペシャルズ」、どんな子供も特別な存在。
底なしに慈悲深く、そしてとことん人間臭い彼らが施設を守り抜こうと奮闘するドラマから学ぶべきことは非常に多い。。
そう感じさせる、心の底から見て良かったと思える映画です。
ぜひご覧ください!
まとめ
僕自身はこの「スペシャルズ」のエリック・トレダノ、オリビエ・ナカシュの両監督が撮った「最強のふたり」にとても感動したこともあり、自作のこの作品も見てみようと思いましたが、予想にたがわず非常に感動できる作品でした。
障がい者をあつかう映画ってことで、「社会派」という見方もされがちですが、純粋なヒューマンドラマと断言できる、万人が見ておくべき映画です。
ぜひ映画を見て、自分に置き換えていろいろ考えてみると良いと思います。
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