みなさん、どうも僕です。
突然ですが、みなさん、日本に古くから伝わる伝統芸能と言えばなんでしょう??
いや、それブラックマヨネーズ小杉のネタやろ!!
そうじゃなくって、伝統芸能のひとつと言えばユネスコに無形文化遺産として登録されてる能楽やろ!!
いやぁ~しかしね、伝統芸能とは言ってもなかなか見る機会って無いですよねぇ~。
わたし、先日生まれて初めて能楽を見に行ってきましたので、その感想と初心者の楽しみ方についてお伝えさせて頂きますよ!
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能楽とはなにか??
Image created by Toto-tarou.
そもそも
そんな感じですよね。
能楽ってカンタンに言うと、いわゆるお面を付けて演者が舞うイメージの「能」と、コミカルな寸劇を短い時間で見せる「狂言」の総称なんですね。
シテ方やワキ方といった演者が舞台の上でストーリーを展開して、
「バックバンド」の囃子方(はやしがた)がストーリーを聴覚でダイレクトに訴えかけ、
「バックコーラス」の地謡(じうたい)が登場人物の心情描写を感情的に表現する・・
そして、能の演目の合間にはコミカルな狂言で軽妙な笑いを誘う・・
なんともコンパクトな構成でありながら、それぞれの役割、パートが相互作用を行うことでひとつの劇、ストーリーを作り上げるという非常に濃密な芸能だと思います。
見てもらったとおり、野球で言うところ、あたかも先発、中継ぎ、リリーフのように完全分業制であるところが能楽の特徴です。
能楽の登場人物、役割
photo by The Children’s Museum of Indianapolis
能楽を知るために欠かせないのが、能楽を演じる各パートの役割。
能楽の登場人物、舞台を彩るのはどんな人達なのか、知っておきましょう!
シテ方
シテ方とは舞台の上で能面を付けて(付けない場合もある)踊る、いわば主人公、俳優です。
話、ストーリーを目に見える形で表現する演者であり、能楽でも一番目立つ存在です。
ワキ方
ワキ方とはいわゆる脇役。
主人公と会話し、絡むことでストーリーを展開していく役目を担います。
脇役とは言えども演目によってはワキ方がカギを握るケースもあります。
囃子方
Image created by Toto-tarou.
囃子方は能楽で音楽を担当するポジション。
笛、小鼓(こつづみ)、大鼓(おおつづみ)、太鼓(たいこ)から構成されています。
狂言方
能と能の合間にコミカルな演技をして観客の笑いを誘うのが狂言方。
能の一部分として演技を行う場合もあります。
能に比べ口語を多用し、時間的に短めな演技を行い、親しみやすく滑稽なストーリーを演じるのが特徴です。
能楽ゆかりの湊川神社「楠公さん」で能楽を見てきた!
わたしが見に行ったのは、神戸・湊川神社の中にある神能殿で先日行われた阪神能楽囃子連盟調和会主催による「和のしらべ」という会。
楠木正成ゆかりの神社で「楠公さん(なんこうさん)」としても知られている湊川神社。
能を大成したとして有名な観阿弥、世阿弥の親子は実は楠木正成と血縁関係にあるということで、楠木正成と能楽というのは非常に繋がりがあるということはあまり知られていません。
そんな能楽にとっては貴重なスポット、湊川神社内にある神能殿が今回の舞台。
しかし、神社の中に能楽の舞台があるってのはなかなかスゴいことですね!
「望月」という演目のストーリー、あらすじを解説!
今回の公演ではさまざまな演目がありましたが、なかでもメインイベント的な演目「望月」が非常にわかりやすく、面白かったですねぇ!
では、望月ってどんなストーリーかカンタンに説明しますね!
信濃国の安田荘司友治は望月秋長に戦に負けて以来、家族家来が散り散りバラバラに。
その家来のひとり、小澤刑部友房が近江国守山で宿屋の主人として身をやつしていました。
ある時、友房のかつての主君、友治の妻と子の花岩は敵から逃げるために放浪している途中で、偶然にもこの友房の宿屋に宿泊のため立ち寄ります。
再開を喜ぶ3人。
そしてその時です!
その宿屋にあろうことか、かつて主君の友治を討った望月秋長がたまたまこの宿屋に下人を連れて立ち寄ります。
友治を討ったかどで取り調べを受け、13年間京都に居るよう命じられていましたが、ようやくそれが許され、国へ帰る途中だったのです。
敵討ちのチャンス到来!
意気上がる友房。
望月を油断させるためにまず友治の妻を盲目の芸人として接待させ、酒や食事を振る舞います。
子の花岩は八撥羯鼓(打楽器)を打って舞を踊り、友房は獅子舞を舞い踊ります。
そうすると酒の進んだ望月をついつい、うつらうつらと眠りこけてしまいます。
今や!いったれ!!
まさに仇討ちのストーリーはこういうものだと言ってるかのようなわかりやすい展開!
緊張感あふれる場面転換と望月をもてなす際の舞い踊りの演技は観る者を魅了し、飽きること無く最後まで楽しめますので、「望月」は初心者にもオススメの演目です!
初めて能楽を見た感想と、初心者に贈る、楽しく観るためのアドバイス!
1.ストーリー、話のあらすじは観る前に読んでおいたほうがいい!
この前、国立文楽劇場で文楽、人形浄瑠璃を見た時は、舞台の上部分に電光掲示板があって、一聴して理解しづらい謡(うたい)のセリフがそこに表示されていたので、なんとかストーリーを追っていけたのですが
シンプルな造りの能舞台では・・
しかも、個人的な感じ方ですが、言い回しが文楽よりも古い、当時の言葉でしかもその言葉が聞き取りづらいという感じで、なかなか地謡(じうたい、コーラス隊)のセリフだけで理解するのはムリっす!!
ってことで、初心者が能楽を観るにはあらかじめ演目をチェックしておいて、配られた演目のあらすじなどに目を通しておくことを忠告しておきます!
2.自分が興味の湧く、ストーリーがわかりやすい演目に着目する!
能楽の公演というのは数時間に渡り、いろんな演目を行うのが普通です。
「あ、コレ面白いな!」と思えるのもあれば、「コレ、拷問やろ!!」というような非常に単調で起伏がなく、しかも長時間ダラダラと行われる演目もあります。
ちなみに今回の公演で言えば「定家」という非常にツラーイ演目があり、公演後に知り合いの演者に「定家がキツかった!」と言うと・・
と関係者も言ってしまうほど、自他認める一見退屈な演目があるのも事実です。
こういう演目に面食らってしまうと能楽初心者は「やっぱり能楽は敷居が高い!」となるので、そういう演目は気にせず、さきほどご紹介した「望月」のように自分がわかりやすい、面白いと思う演目をあらかじめチェックしておき、そこに自分の意識を集中させるという戦法が大切になってきます。
3.「自分なりの見どころ」に焦点を当てて観る!
能楽ってさきほどお伝えしたようにシテ、ワキ、囃子、狂言といったさまざまパートに分かれています。
実は能楽にも「おっかけ」的なファンも多く、お目当ての演者さんを観るために訪れる人も数多くいます。
もちろん、ストーリーを堪能するのはもちろんのことなんですが、簡素でありながら奥行きの深さを感じさせる各パートの匠の技に着目して、じっくりと自分の見方で楽しむってのもオツなもんです!
いやぁ~なんとも奥が深いもんです!
まとめ
日本人だから伝統芸能を知らなければならない・・そんなことは全然ありません!
そんな考えこそが伝統芸能を必要以上に小難しいイメージを作り上げている原因だと思います。
ライブで見てみればこそ感じ入る技の凄み、能楽だからこそ伝わるストーリーの面白さ、古(いにしえ)から変わらぬ人間の営みと感情、人間っぽさ・・。
他の表現手段では感じることが出来ない唯一無二な面白さと奥ゆかしさが同居する能楽は実際に見てみて非常に面白いと思いました!
少しでも興味があるなら、一度ナマで能楽を体験することをオススメしますよ!
この湊川神社の能楽堂の舞台は且つて東京大曲にあった旧観世会館のそれを移築した物です。
笑太郎さん
うぉー!スゴい情報、ありがとうございます!
そうだったんですね〜!
参考になりました!m(_ _)m