
みなさん、どうも僕です。
人間って、ある程度の年齢に達し、人生経験を積んでくると
「自分の考え方は経験に基づいてより正しい判断ができる」
と思いこみがち。

先日、僕は山に登って遭難しかけたんですが(!)、それだって思い込みによる判断ミスが大きく影響しているんです。
ということで、先入観や思い込みに頼った思考方法のまま放置していると生命の危機さえ招きますよ!ということをお伝えしたいと思います。
石垣島の野底マーペー(野底岳)で遭難しかけた!

石垣島旅行に行って、観光名所の野底岳、通称「野底マーペー」と呼ばれる山に登って、絶景にテンションMAX状態だったのですが、そんな僕に絶体絶命のピンチが現れるとは、この時は知る由もなかったのです。。
山頂でのんびりしたので、そろそろ帰りの飛行機の時間もあったので、山を下りることに。

野底マーペーには登山道が2つあって、1時間ほどかかる本格的な登山道と、車で8合目まで来れて15分ほどでサクッと登れる近道の登山道があるのです。

僕は近道の登山道でやってきて、出発地点に車を置いてありましたので、そちらへ戻ることになります。

山頂を少し下ると、本格的な登山道と近道の登山道の分かれ目を示す、白い布の目印に遭遇しました。


と、そこへ、この目印の左側の道から、軽装の大学生3人組が山頂に向かって歩いてくるではありませんか。

大学生「こんにちわ!」

大学生「はい!ありがとうございます!」
こんなやりとりを交わしながら、大学生たちがやってきた白い布が目印の登山道の分岐点の「左側」を歩いていきました。


帰りの飛行機の時間もあったので、車を置いてある近道の登山道の出発点まで足早に下りることにしました。
道はこんな感じで、それなりに急ででこぼこしてますので、気を付けながら歩きます。
一人ですから、黙々と山を歩いていたのですが、ふと時計を見ると、山頂からもう既に30分ほど歩いています。。
ん??
なんかおかしい。。。
15分ほどで着くはずなのに。。

ただ、道の途中の木にはこういった赤いテープが巻かれた目印があります。

「あ、やっぱりこの道で合ってるよね」
なんとなくですが、赤い目印があるってことは間違ってない(?)ってことだよな。
そう自問自答しながら歩きます。
ただ、歩けども歩けども、一向に近道のスタート地点は見えてきません。
「やっぱりおかしい。。。」
もうかれこれ45分ほど歩いています。
これはどう考えておかしい!

その疑念をさらダメ押ししたのが、この「登山道入り口」の看板。
道を間違えた!!
近道のほうの登山道にはこんな看板は無かった!
僕はてっきり近道のほうの登山道を歩いているつもりだったのですが、
実は「本格的な登山道」を降りてきてしまったのです!

全く逆方向に来ていたのです!


どうやったら近道のほうに行けるのか、地図も当然なく、スマホのGoogleマップを見ても自分がどこにいるやら見当が付きません。
焦れば焦るほど、道に迷う次第で、「コレ、遭難じゃね??」って心の中で思いはじめ、かなりヤバめの状況に。
結局、さらにかなりの時間を掛けて山頂近くの登山道の分岐点まで戻ることが出来て、猛スピードで近道の登山道を駆け降り、なんとか近道の登山道の出発地点までたどり着くことが出来ました。

ココでやっとホッと出来ましたが、迷っている道中は「遭難した!!」と動揺しまくりで、文字通り、絶体絶命のピンチでした。
道を間違えたにしても、想定以上の時間と体力を使ってしまい、自分としても「なんでそうなった??」という思いを引きずりながら山を後にしたのでした。
道を間違えた理由を分析!

ってことで、誰でも気軽に登れる「野底マーペー」であやうく遭難しかけたワケですが、なんで僕は道を間違えてしまったのか、ということについて分析していきたいと思います。
まず、道を間違えた直接的な原因は「白い布の目印の登山道の分岐点」で右をいくか、左をいくか、そこで判断を誤ったということです。

右を行けば、なんということもなくラクラクで15分ほどで車を置いてある近道の登山道のスタート地点に戻れます。
しかし、なぜか僕は左の道を進んでいってしまったのが大きな判断のミスなんですよね。
そこには、ちょうど登山道の分岐点に差し掛かった時に出会った大学生の男女3人組の存在が大きいのです。

彼らは道の分岐点の「左から」やってきたのです。
そこで僕は、それをみて

と直感的に思いこんで、迷うことなく進んでいってしまったのです。

でも。。。左側は。。近道ではなく、1時間掛かる本格的な登山道!
では、なぜ、大学生が歩いてきた分岐点の左側を即座になんの迷いもなく近道だと思いこんでしまったのか。
それは

「軽装」の男女3人組の大学生が「本格的な登山道」を登ってくるワケが無い!!という思い込みが僕自身にあったからです。

そういった思いこみです。
でも、実際には、大学生男女3人組は本格的な登山道を登って来ていたのです!
一見、理にかなった即座の判断っぽいのですが、実はまったく理論的な思考で導き出された結論ではないんですよね!
冷静になったら、「なぜそう言える??」「大学生の見た目だけで判断するのおかしくない??」って、もっと理論的に、より適切に考えることができます。
しかし、当時の状況は
- 飛行機の時間を気にしながら降りていた(心に余裕が無かった)
- 道の分岐点でちょうど大学生がやってきた(なんとなくラッキー!という感覚)
- 来た道の記憶を辿ったり、Googleマップを見るより簡単に判断したい(手間を掛けたくない)
こういった思考プロセスが頭の中にうずまいていたこともあり、「ホントにこの道で合ってるの??」という疑いがまったく出る幕がなかったのが正直なところです。
分岐点でどちらか見極める必要がありながら、「大学生だから当然近道でしょ?!」という自分に都合の良い考え方を優先してしまった結果が遭難しかけの事態を巻き起こしたと言えるでしょう。
合理的な判断を妨げる「認知バイアス」とは?

人間って、自分では合理的な判断をしていると思っていても、意外と理屈とは反するいい加減な判断を結果的にしてしまっていることが結構あります。
僕も、偏った考え方や先入観によって遭難寸前にまで追い込まれたワケです。
僕の遭難寸前に追い込まれた事態を招いた原因とはなにか??
その原因が「認知バイアス」と呼ばれるものです。

「認知バイアス」とは理論的には根拠のない思い込みや先入観によって生じる思考の歪みまたは偏りのことです。
心理学で使われている言葉で、バイアスとは「傾向」や「偏り」を意味します。
認知バイアスは日常生活にも溢れています。




このように、冷静に考えれば、「そうとは言い切れない」と分かるのに、ひとつの考えに偏ったり、考えが歪むことで合理的な判断が下せない状態に陥ることがたくさんあるのです。
そして、こういった判断の間違いは無意識に起こっているところが問題でもあるのです。
判断を下す環境を整え「自分軸」で考えろ!

見てもらったように認知バイオスは身の回りにたくさん溢れています。
本当は合理的に判断する能力を持っているにも関わらず、日常生活やビジネスの場では限られた条件下で瞬時に判断を求められることが多いため、認知バイオスが目隠しをしているといっても過言ではありません。
もっと言えば、認知バイオスによって

もちろん、人間はいつ何度であっても合理的な判断が下せるワケではないですが、少し冷静になって、そして一呼吸置けば違った判断をしていたと後悔することも多々あるのではないでしょうか。

認知バイオスの言いなりにならないようにするためには、自分のペースで判断する状況を作ることです。
僕が山で遭難しかけた時に飛行機の時間を気にしすぎて余裕が無かったのも、認知バイオスのいいなりになりやすい状況だったと言えるでしょう。
人間は誰しも余裕を無くすと、ひとつの事柄にだけ意識が向いてしまい、自分にとって都合の良い理由ばかり採用してしまいがちです。
そして、もう一つ。
常に批判的な視点を持って、最後は「自分軸」で考えること。
他人がどう言おうが、「俺はこうやるんだ」というスタンスでいれば、認知バイオスのいいなりになる確率はグッと減るでしょう。
事実のたったひとつの側面や社会的権威、自分の過去の経験による勘に惑わされることなく、自分のルールに照らして判断をしたほうが長期的に見れば後悔することの少ない人生を送ることができるのではないでしょうか。
まとめ
合理的な判断をしているつもりでも、実はまったく合理的でない判断をしているのは認知バイオスが目隠しをしているせいです。
常に批判的な見方を持ちながら、冷静に物事を分析し判断するクセを付けておくことは必要です。